2017-01-09

三田村武夫


 1冊読了。

 2冊目『戦争と共産主義』三田村武夫:岩崎良二編(民主制度普及会、1950年、発禁処分/『大東亜戦争とスターリンの謀略 戦争と共産主義』自由社、1987年、改訂版・改題/呉PASS出版、2016年/Kindle版、竹中公二郎編)/私が読んだのは自由社版である。本文200ページ、資料100ページの構成。度肝を抜かれてしまったため資料は読んでいない。読み終えてびっくりしたのだが150ページ以上に付箋を付けていた。三田村武夫は戦前の内務省官僚でその後衆議院議員となった人物。大東亜戦争の生き証人といってよい。首相の近衛文麿を諌めたエピソードなどが生々しく描かれている。極めて実務的な文章で感情の澱(よど)みが少ない。政治家としての自らの責任についても端的に述べている。内務省で共産党を研究してきた三田村の結論は共産主義者が大東亜戦争のグランドデザインを描き、敗戦に導いたというものである。二・二六事件の背景についても詳しく書かれており、日本の社会が時流によってうねる様相が俯瞰できる。大きな閃きを得た。「必読書」入り。

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